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Q&A

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こんにちは!

インタビュアーのナナミです。今日はラルーナ文庫から刊行された新刊「歪な絆と満ちた情慾」の著者、柚槙ゆみさんにいろいろ質問をしたいと思います!

 

質問によってはネタバレもあるかもしれません! まだ本編をお読みになっていない方は、ぜひ読後に見ていただけるとよりいっそう作品やキャラクターの心情などに近づけると思います! 購入はこちらから!

あ、ナナミは​これからもときどき登場するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします!

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――この物語を書こうと思ったきっかけは?

 

​ あとがきにも少し書いているのですが、実は複数の攻めが登場する物語は初書きでした。今まで書いていない設定で書いてみたいなと思い挑戦したものです。

 私はBL小説を書き始めてまだ日が浅く、作品数も商業や二次創作を含めてもそれほどありません。ですので、書いたことのない設定やシチュエーションがかなりあります。BLで複数というのは王道(ですよね?)でしょうが、私にはお初でした(笑) 作品として他の先生の作品を読むことはありましたが、書いたのは初めてで実に楽しかったのを覚えています。

――執筆をしていた際、一番難しかったシーンは?

 複数で絡むシーンは少し難しかったです。誰の手がどこにあってどんな位置でどんな体勢なのかを分かりやすく書くには中々の苦労が(笑) 挿絵があればひと目で分かるのですが、文章だけで想像させるのは難しいですね。(自主Kindle配信時は挿絵がなかったので)

​ しかし今回は篁ふみ先生の美しい挿絵がございますので、ひと目で分かりますしドキドキ感が半端ではないですね。

――キャラクターを作るに当たって、なにか気をつけたこと、こだわりなどは?

 「様々な愛の形」というのがテーマだったので、それを意識してキャラ作りをしました。父親に歪な形で愛されていた雨宮が突然それを失い、愛に餓える彼を色々な形の愛で埋めたいなと考えました。なので父の愛、恋人の愛、友の愛、とそれぞれ象徴的なキャラ作りをしました。結果、みんな和幸を恋人として愛するのですけどね(笑)

 気をつけたのはそれぞれがどんな形で雨宮を愛しているか、というのと、他の人と共有するのに抵抗がないという考え方を統一することでした。

 こだわったところは、攻めキャラたち自身が「和幸を愛しているのは俺が一番」という自信を持たせたところでしょうか。

​――主人公の和幸は、幼少期に実の父親からの性的な行為で徐々に目覚めていったわけですが、息子から父、また父から息子へ向かう気持ちなどの変化、思いはどのようなものだったの?

 初めて父親から、そういう接触があったときは困惑でしたでしょうが、幼少期から父親に色々と管理されていたので、和幸自身は羞恥はあったものの結構早い段階で受け入れたように思います。そしてそれが父親の愛情表現で、それに付随して快楽があったので嫌悪には繋がらなかったのかなと。

 父親がどうして息子に性的な行為に及んだのか。それは歪んだ愛情であるとしか言えません(笑) 本当に全てを管理しなければ気が済まなくて、悪い言い方をしたら父親の人形で、よく言えば超過保護だったのでしょう(笑) だから自慰の手伝いはしても、息子に性的な目を向けて女のように扱わなかった、というのが全てかなと。

 ただ、和幸がおしおきと称したその行為を違う意味で欲していることには気付いていました。あくまでも保護下にある子供として、面倒を見る、という愛情からの行為だったので、父親なりに考え、和幸が成人を迎えたらやめようと考えていたのかもしれないです。

――和幸が女性に失恋した雨のシーンから始まりますが、その時点で和幸の恋愛対象は女性なの?

 あの時点では女性が恋愛対象だと、本人は思っています。でも体はずっと受け身なので、女性とセックスをすることに違和感を覚えています。

 自分は普通の性癖だと思いたいがために、何人もの女性と交際を続けてきたのです。根底には父親が植え付けた「男精を受け入れる体」になっていることに納得していなくて、気付かないふりをしているのです。

――横澤が和幸に惹かれた部分はどういうところ?

 自分はノーマルだ、と虚勢を張っていてその態度が隙だらけで、体のそこら中から愛されたいオーラが出ていたり、押しに弱くて流されやすくて、敏感で快楽に弱いところでしょうかね。庇護欲をそそるんだと思います。

――憧れていた那花壮一郎に出会いますが、和幸の気持ちとしては一番傾いている相手なのですか?

​ そうですね。父親に一番イメージが近いんだと思います。思春期から好きだったということもありますし、やさしさの中にちょっと意地悪な愛情があるところが父親を連想させるのかなと。元々、和幸が作家として壮一郎のファンでもあったので、傾倒しやすかったのだと思います。

 だからといって横澤や飯山に対しての愛情が少ないかといえば違うのです。それぞれに向ける愛情は少しずつ異なるのかなと。それぞれ全て全力で愛していると思います。

​――和幸は壮一郎を父と重ねている部分がありますが、実父に向けていた気持ちと同一?

 全く同一ではないですね。本当の父親は亡くなっていますからね(笑) 近いものはあるかなと思います。後半は恋人としての感情の方が勝っているようにも思いますし、とにかく全身を愛で満たされたい子なのです(笑)

――壮一郎が和幸を一番独占しているように思いますが、攻めのメンバーの間での力関係などはあったりしますか?

​ う~ん、そうですねぇ(笑) 一番はやっぱり壮一郎で、その次が横澤、飯山でしょう。口には出して言いませんが、ベッドの上での横澤の発言から窺えますね。

 年齢の順番というのもあるでしょうし、優劣を付けていないとはいえ、和幸が壮一郎に傾倒しているのは二人も分かっているのだと思うんです。それでもいいから愛したい、かわいがりたい、とそんなところでしょうか。

――ずっと友人であった飯山も、和幸を愛する対象として加わりますが、彼は好きな人を共有することに関しての葛藤はそれほどなかった?

 いえ、かなり葛藤はあったと思います。本編の書き下ろしで飯山視点がありますように、悩んだりはしたはずで(笑) 一緒にいた時間が一番長い彼だからこその葛藤かなと。友人から恋人になれるかもしれないのに、その形があまりにも普通ではないことに抵抗はあったはずです。

 しかし友人という立場のままで和幸が二人の恋人に愛されているのを見ているだけというのも無理だったのでしょう。自分だけのものにならないのなら、共有してもいいから一緒にいたいし愛したい、そんな立場を選択したんです。

 なによりも和幸が飯山の気持ちを受け入れたことで関係が成り立ったので、それはそれでよかったね、と飯山に言いたいですね(笑)

​――最後に書き下ろしとして飯山視点のお話がありますが、もう少し長く読める可能性はありる?

 秋に開催されるJ・GARDEN47にて続編といいますか、番外編といいますか、そんな感じの同人誌を発行予定です。

 章ごとにテーマがあり、それぞれ和幸と絡んでいます。最後に攻めばかりが集まった番外編を付けようかなと思っています。(冊子が番外編なら番外編の番外編になるのでどうしたものか)一応、こんな感じで書こうと思っています。

 

第一章・TOMARIGIで開かれたパーティーで、客の男に言い寄られた和幸。それを止めたのは――?

第二章・那花の出版記念祝賀会で彼と女性の婚約話を聞いた和幸は、自分が不釣り合いだと感じ……。

第三章・飯山の家に本を借りに行った和幸。そこで同性愛者についての本や、那花の官能小説を見つけてしまい――。

第四章・和幸はクラブ『ルプス』の特別室で三人の本当の思いを知らされる。

番外編・攻め三人の対話。各々和幸に対しての愛を休日の『TOMARIGI』にて語り合う。

​ 予定なので未定です(笑) 内容が若干変わるかもしれませんが、概ねこんな内容で考えています。最後の番外編は攻めばかりの神視点ですので、ちょっと珍しいパターンかもしれないですね。

――ここまでナナミの質問に答えて下さってありがとうございます。最後にひとこと!

​ この作品を読んで下さり本当にありがとうございます。初めて書いた複数ものの作品でしたが、とても楽しく書けましたし、某コンテストでもたくさんの方に読んでいただけました。

 また電子書籍から紙書籍にしていただけたことで、より多くの方に読んでいただけるのかなと思います。

 とても思い入れのあるキャラクターたちですので、また同人誌という形でもいろいろと書いていけたらなと思います。

 今回の質問でキャラの気持ちに私自身も近づけたような気がしました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

質問に答えてくださってありがとうございました!

この後はキャラクターたちにもインタビューをしていますので、そちらもお付き合いくださるとうれしいです! 作品の世界観が壊れる! と思われる方はご遠慮下さいませ~。

​ではでは、キャラインタビューの準備ができたらはこちらから入れるようにしますね!

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